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エントロピーさま
国家が消滅するのはもう少し時間がかかると思いますが、「国益」を主張することがナンセンスにな時代はもうそこまで来ていると思います。
いま民間経済は、国の保護とか援助とかほとんど必要とせずに、海外展開をしています。トヨタとかソニーとかは株主も顧客も半分以上が外国人で、そういった会社が利益を上げることはどこの国のためなのかはっきりしません。中国の安い繊維製品や家電製品が日本に流入してきて、国内の産業は打撃を受けましたが、日本の消費者は物価が下がって大きなメリットを受けています。これは日本の国益を損ねているのでしょうか。このように経済のグローバル化の中では「国益」が何かというのは非常に困難です。
経済の分野で何が「国益」なのかはっきりしないせいか、いま日本で問題になる「国益」は領土問題に関することがほとんどです。北方領土、竹島、尖閣諸島、沖の鳥島などですが、これらの島々を確保することは本当に「国益」に合致するのでしょうか。 それらの島々を日本の領土としてそこに住む人たちに対し日本の社会保障の水準を保とうとした場合、今でも沢山の離島が地方自治体の財政赤字の一因になっていることやドイツで合併した東ドイツがいまだに大きな財政負担になっていることを考えても、それらの領土の確保は日本の大きな財政的な負担になると思います。
竹島は水産資源の豊富な大きな経済水域が懸かっているとか、尖閣諸島はガスがでるとか、それらの地域には莫大な経済的な価値があるような話し方がされていますが、島根県の年間の漁獲高は350億円ぐらいでしかなく、尖閣諸島周辺のガスのネットの経済的な価値はせいぜい1兆円ぐらい(金額については厳密な検証が必要ですが。。)であることを考えると、相手国との関係を損なってまで獲保するだけの経済的な価値はないように思えます。 実力行使をして相手国の反日感情が高まって日本の工業製品やコンテンツが売れなかったり、日本への観光客が減少すれば、その何十倍もの経済的な損失が発生するはずです。
日本の政治家の中には政治の役割を強調したいためか、この種の「国益」を声高に言う人が何人かいますが、こういう人たちに政治の舞台から降りていただくのが、第一歩かと思います。繰返しになりますが、「領土=国益」は重農主義の時代の遺物です。高度産業社会にいる我々は領土問題を「譲れない国益」としてではなく、一つの経済問題として柔軟に交渉をすべきと思います。
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